MENU

40代にして初めての妊娠、喜びと不安。

私は就職して以来、15年以上助産師として働いてきました。

たくさんの妊婦さんやご家族と関わって、多くの出産に立ち会い、様々な赤ちゃんをみてきました。

でも、それは全て自分以外の誰かの妊娠・出産・育児。プロとして、学生の頃も就職してからもたくさん勉強して、経験して、学習会や研修で知識・技術を習得してきました。どんな質問を受けても、特殊な事例を除けばお母さんやそのご家族に納得していただける説明ができると思っていました。

ただし、自分の体験となると少し違います。

昔、出産して乳児を育てている小児科医と話していて印象的だった一言があります。

「これまで小児科医として働いてきて、大体のことは何でもわかっていると思っていたけれど、自分の子のこととなると、それが通用しないのよね」

若かった私は不思議に思いながらも、きっとそうなんだろうということも理解できました。例えば看護師は、人の痛みについて考えたり、対処したり、寄り添ったりすることはできても、自分の痛みに対しては弱いものです。紙でちょっと指を切ったり、便秘で苦しんだりするだけでも不安になったり心配になったりする気持ちは、プロとして対応する時とはまた違う。

そして今更ながら、私にも同じ状況がやってきました。

まさかそんなことは確率的に低いと思いながら、プロだから気にならないことと、プロだからこそ多くの可能性、特にリスクを考えて不安が強くなる。そんな私の気持ちの変化を織り交ぜつつ、読んでくださる皆様の不安の軽減もできたらと思い、経過記録を残すことにしました。

「助産師のくせに、そんなこと思うのかー」とツッコミを入れつつ、読んでくださると幸いです。